絵本は何歳から?読み聞かせのコツやメリットを徹底解説!

お話し会や店舗でお客様とお話する中で、
「絵本って何歳くらいから見てくれるようになるのですか?小さい子には絵本はまだ早いですよね」とお伺いすることが多いです。
なので、今回は絵本って何歳ぐらいからおすすめなのか?月齢別絵本の選び方、読み聞かせするときのとても簡単そうでとっても難しいポイントや、動画ではなく絵本がおすすめとする理由などを、元保育士の視点と1児の母である子育て中の親の視点を交えてお伝えしていきます!
◎絵本って何歳から?
子どもにもそれぞれのペースがあるので一概には言えませんが、絵本の読み聞かせは3ヵ月ごろからがおすすめです。
初めのうちは反応がないかもしれませんが、繰り返し読んでいくことで見てくれるようになります。早くて驚かれるかもしれませんが、赤ちゃんも絵本を見てくれるのです。絵本を楽しむというよりは、大好きな人の絵本を読んでくれる落ち着いた声を楽しんでいるのかもしれません。
読み聞かせのスタートにおすすめの3か月ごろは、まだ視力が発達していないので、音を楽しむ本だったり、童謡が載っている『歌絵本』がおすすめです。読んでくれる大人の声を聞くことで愛着関係を育むといわれています。
下記におすすめの絵本など詳しく紹介させてもらいますね。
それと、何よりも大切なことが、絵本を読み聞かせするお父さんやお母さんが、のんびりとゆったりした気持ちで絵本を楽しむこと。このことも下記にて詳しくお話させてもらいます。
こちらの動画は2ヵ月の子が絵本を見て喜ぶ姿。クリックするとご覧頂けます。(小村書店Instagramより)
3ヵ月の頃には、泣いていても絵本を見ると泣き止むように。
◎月齢・年齢別の絵本の選び方とおすすめ絵本
・3〜5ヵ月頃の絵本の選び方
生まれて間もない赤ちゃんは、一般的に目がほぼ見えていないといわれています。0歳児のうちは視力が良くないため、絵本の音を楽しめる絵本がおすすめです。3か月頃になると、視力、聴力が発達し、動く物を目で追ったり、色や音に反応するようになるので、 3ヵ月頃から絵本を読み聞かせされるのをおすすめしています。
お子さんの横に一緒に寝転がって、絵本を読んでみてください。読み進めているうちに手足をバタバタさせたり、鼻息を荒くしたり、絵本を見て喜んでいる様子がなんとも癒されますよ。この時期におすすめの絵本も紹介させてもらいますね。
「ごぶごぶごぼごぼ」
「ぷぷぷ」「ぷわぷわ」「じゃわじゃわ」などの表現があり、胎内の様子をイメージして作られた絵本。赤ちゃんは、この音に懐かしさや親しみを感じ安心するのだそうです。
「お?かお!」
指を使って動かせるしかけ絵本。赤ちゃんのころは、大人が動かしてあげてそれを目で追って楽しんで、1歳過ぎてからは、指先を使って自分で動かして、長く楽しめる絵本です。指先の発達は脳の発達にも影響するといわれています。
・6〜10ヵ月頃の絵本の選び方
6か月頃になると、寝返りが出来たり、お座りができるようになったり、少しずつ自由に動き回れるようになって好奇心が高まる時期。
人見知りがはじまるのもこの頃ですね。
この時期、大好きな人の声を聞いて楽しめる歌絵本がおすすめです。
向き合って絵本を読むと、子どもの反応も見れて楽しいですよ。
離乳食が始まる時期でもあるので、食に関する絵本で食に親しみを持てるようにするのもいいなあと思いおすすめしています!
「あぶくたった」「おせんべいやけたかな」
わらべうたは子どもが心地よいと感じるリズムに、きれいな日本語をのせて昔から歌い継がれてきたもの。子どもにすーっと入っていきます。わらべうたで言葉の響きやリズムを楽しみ、人の声を聞く心地よさを体験した子どもは、絵本を読む声にもよく耳を傾けるようになり、自然と本に興味を持つようになるともいわれています。
「くだものぱくっ」
木版画で作られたこの絵本。色使いがとても綺麗でうっとりします。
「さあどうぞ」と食べさせてあげる真似をしたり、手に渡したり、やりとりを楽しみながら読める絵本です。食に興味を持つきっかけに。同じだね~と絵本と実物を見比べるもの楽しいですね!
・10ヵ月頃〜2歳の絵本の選び方
1人ひとり違いはありますが、赤ちゃんは生後10ヵ月ぐらいになるとお母さんやお父さんの言葉を聞きながら、少しずつ絵本の世界に入っていけるようになります。
この頃になると、言葉を少しずつ理解し始め、自分でしゃべろうとする時期こだわりやお気に入りも少しずつ出てくる時期でもあります。
「だるまさんが・の・と」
大人気のだるまさんシリーズ。だるまさんと一緒に身体を動かす子どもの姿がなんとも可愛らしいです。我が子は「だるまさんと」が好きでした。好きな絵本にも個性が出るのが面白い!作者のかがくいさんは子どもの心を掴む天才だなぁと感じています。
「あなたはだあれ」「のせてのせて」
松谷みよ子さんの絵本は日本語が心地いいので、読んでいる大人も優しい気持ちになれる絵本。わらべ歌のような言葉のリズムも楽しく、優しいタッチの絵にも癒されます。
絵本の世界を楽しめる一冊です。
◎絵本を読み聞かせする時のポイント・コツ
簡単そうで難しいポイントをご紹介します。絵本を読み聞かせしながら、ついつい「明日の仕事は・・・」などと頭の中を思考がぐるぐると忙しく働きがちではないですか?私もたまにやっちゃいます。だってもう何回も読んだ本なんだもーん!
でも、子どもには、本を読んでくれていてもお母さんの気持ちがここにない、一緒に絵本を見てくれていないとお見通しだとか。
だからこそ、読み聞かせしている大人も一緒に絵本を楽しむ、絵本の物語を入り込むことが大切なんです。といつもお話させてもらっている私もついつい絵本を読みながら考え事しちゃうときがあるので、心掛けていても難しいポイントですが、是非心に留めておいてもらえると嬉しいです。
それと、『小さい頃から絵本を読まなくちゃ!』という義務感で大人が読んでしまうと、子どもにもそれが伝わり、絵本の時間がお互いに窮屈な時間になってしまいます。絵本を読み聞かせするお父さんやお母さんが、のんびりとゆったりした気持ちで絵本を楽しむことって、とても大切なのです。
◎動画ではなくて絵本がおすすめな理由
私たちの脳は、新しい情報を手に入れることで、快楽物質であるドーパミンを放出します。スマホがあってとっても便利な時代ですが、スマホを見ていると、クリック1つで簡単にドーパミンを放出します。絶えずドーパミン放出を得られるスマホを、コントロールしながら使うことは大人も難しいですよね。それが子どもであればなおさらです。
YouTubeなどの動画も同様です。自分の好きなジャンルのものを判別してずっと流し続けてくれます。子どもにとっては、刺激が強すぎるといわれています。3歳まではメディアに触れない方がいいと言われているには、理由があるのです。でも、クリック1つで子どもが静かに見てくれるって魅力的で忙しい父母の味方だと思うし、私も活用し上手く付き合っていきたいなと思っています。
ただ、便利な反面、以前に比べ、親子の触れ合いの時間は減りました。同じ空間にいても家族それぞれ別々の画面を見ている。そんな光景をみかけます。
そんな親子の時間をつなぎとめてくれるのが、絵本。動画やスマホとは違い、絵本はいい意味でも悪い意味でも「手を止めないと読んであげられない」のです。家事をしていても仕事をしていても、その手を一旦止める、子どもと向き合う時間を絵本が作ってくれるのです。便利な今の時代だからこそ、紙の絵本が大切になってくる、そう思っています。1冊の絵本を通じて、親子で笑ったり喜んだり、体をよせあい、気持ちを通わせることで、親子のつながりは深まっていきます。絵本が親子をつないでくれるのです。
◎小さい頃から絵本をみていることのメリット
・親子の愛着形成
小さい子はまだ話も出来ないし、どう関わっていいか分からない、そんな声をよく聞きます。そんな時こそ絵本!読み聞かせは、お父さんやお母さん、大好きな人の膝の上に座って読むことが多いですよね。身体が触れ合うことが多いため、親子のスキンシップが取れる良い機会なんです。
そして、小さい子は、絵本の内容というより、「絵本読んで~」と持って行き、読んでもらえたという経験が何よりもうれしいのです。その繰り返しが愛着関係を形成します。なので、最初から最後までちゃんと読まないといけないと窮屈に考えずに、赤ちゃんの気持ちを受け入れて、楽しんでみてください。例えば、「りんご美味しそうだね、はいどうぞ」と絵本に描かれている果物を赤ちゃんの口に運んであげるなど、絵本でやりとりを楽しむのもいいなあと思っています。最後までお話が聞けなくても、好きなページだけしか見なくても大丈夫です。「赤ちゃんとのかけがえのない時間を楽しもう」そんな気持ちで読み聞かせを始めてみてください。
・脳の前頭前野の血流が減少
絵本を見ることで感情のコントロールを司る前頭前野の血流が減少し、心が癒された状態になるといわれています。寝る前に絵本を読むのをおすすめしているのは、気持ちを落ち着かせて入眠出来るからなんです。
動画で読み聞かせをするデジタル絵本等も身近な物になりましが、それだと絵本の醍醐味の、大好きな人の声で読んでもらうことが出来なくなってしまいます。実際に母親が絵本を読む時と、他人に読んでもらうときでは、脳波のアルファ帯(落ち着いているときやリラックスしているときに主体となる脳波)の数値が違ってくることが分っています。また他人に絵本を読んでもらったときに比べて,母が絵本を読んだ時が子どもの集中度が高く,よりポジティブな表情を見せるとの研究結果も発表されています。
絵本を見ることで心が癒され、さらには大好きな大人に読んでもらうことでさらにその働きが高まるそうです。
・読み聞かせをしている大人にもメリットが?!
なんと読み聞かせをする大人にもいいことがあります!子どもが絵本を見るときに働く前頭前野は子どもだけではなく、大人にも働きます。母親を対象に読み聞かせを脳科学的に調査した結果、脳は、一人で音読をするよりも子どもを相手に読んでいるときのほうが、より活発に動くとの結果が出たそうです。特に働いていたのは、思考や創造力、コミュニケーション、感情のコントロールといった機能を司る「前頭前野」です。
また、読み聞かせの時間が長いほど、子育てのストレスも低くなるとの調査結果もあるみたいです。読み聞かせの恩恵が大人にもあるなんて最高ですよね!
◎絵本を読み聞かせする時の注意点
絵本を読み聞かせする時のポイント・コツと重複しちゃうのですが、読んであげる大人がゆったりとした気持ちで読むことが何よりも大切だと思っています。
勉強が出来るようになるためにはどんな本がいいですかと聞かれる方がおられますが、幼少期はまず、心の根っこ、土壌を耕してあげることがとても大切です。土壌が豊かでないと花は咲きませんよね。ある保育園の園長先生が、「絵本は心を育てます」と言っておられました。私も強く共感します。大好きな大人に絵本を読んでもらうことで、言葉の美しさや面白さを知り、なによりも「言葉を聞く喜び」を全身で感じとります。その経験こそが心の根っこになるのではないかなと思っています。たくさんの物語に触れて大きくなってほしいなと願っています。幼少期のこの時期は、賢くなるためにと意気込まず、親子で絵本の世界を楽しんでもらえたらと思います。
◎ECサイト【おすすめ選書セット】の紹介
元保育士で現在子育て真っ最中の「小村書店」の2人が、絵本との出会いをお手伝い。保育園やイベントなどで日々読み聞かせをしている本のプロが、厳選した絵本をお届けします。ご自身では選ばないジャンルの本が届いたり、隠れた名作がお気に入りになったり…。本を選ぶのが苦手な方、忙しくて買いに行く時間がない方にもおすすめです。出産祝いや誕生日・七五三など節目のプレゼントにも。絵本を贈られる方の年齢・性別・好きなものなどをお伺いし、その方だけのオリジナルの絵本セットをお作りします。お孫さんへのプレゼントにされる方も多いです。
選書した本が「子育て中に我が子に読んでいた本でした」「絵本を読み進めているうちに小さい頃に読んでもらっていた懐かしい記憶が蘇ってきました」などと思い出の絵本に出逢われることもしばしば。思い出の絵本との再会のお手伝いが出来たこと嬉しく思います。
保護者さんだけではなく、保育士さんからご依頼を頂き担任のクラスの年齢に合わせて選書したり、保育園の予算に合わせて選書をしたり臨機応変に対応出来ますので、お気軽にご相談ください。
◎ぴったりの絵本を選ぶために
絵本の読み聞かせは3ヵ月ごろから!繰り返し読んでいくことで見てくれるようになります。読み聞かせのスタートにおすすめの3か月ごろは、まだ視力が発達していないので、音を楽しむ本だったり、歌絵本がおすすめです!
普段選書させてもらっているような絵本もおおまかな月齢別で、上記にご紹介しておりますので参考にしてみられてください。
絵本を読み聞かせする時の簡単そうで難しいポイントは、読み聞かせしている大人も一緒に絵本を楽しむ、絵本の物語に入り込むことです!
動画やスマホとは違い、絵本は「手を止めないと読んであげられない」。家事をしていても仕事をしていても、その手を一旦止める、子どもと向き合う時間を絵本が作ってくれる。便利な今の時代だからこそ、紙の絵本の良さが発揮されるのではないでしょうか。
1冊の絵本を通じて、親子で笑ったり喜んだり、体をよせあい、気持ちを通わせることで、親子のつながりは深まり、絵本が親子をつないでくれる。そして、読み聞かせは大人にも恩恵が!
どんな絵本がいいか分からないという方は、当店の絵本の選書セットを是非ご活用ください。
最後まで読んでくださってありがとうございます。